[memo] 対話、老害、会話
玄兎 2008.6.04 (水曜日)
平田オリザ氏の『演劇入門』と三流のペテンで、あることについて煙幕焚けないかと思ってたんですが、なんか無理っぽいので(3日もかけちゃダメだ)先に本音を書いてしまいます。
要するにこれは「ぶっちゃけ」です(笑)
用語定義
今回の話に登場する【会話】と【対話】の違いについてですが。
これ、そのままだと混乱するんですが、英単語
- 【会話】 = conversation (カンバセーション)
- 【対話】 = dialogue (ダイアローグ)
を想定してます。
この二つ、主目的が異なる語なんですね。
カンバセーションとは「巧みな座談」とか「談話」といった方向性を持つ語で、その主目的は「コミュニケーションそれ自体を楽しむこと」であったり、「非公式な/親しい関係下でのコミュニケーション」であったりするわけです。
それに対してダイアローグとは「意見交換」とか「向かい合って話をする」といった方向性を持つ語で、その主目的は「自分の意見を主張すること」であったり、「両者の意見のすりあわせ」であったりするわけです。
ですからまあ、今回のエントリでは
- 【会話】 = 価値観を共有する人同士の楽しいおしゃべり
- 【対話】 = 価値観を異にする人と理解しあうためのプロセス
ってなニュアンスで使ってます。
老害化の当然
「カジュアルで長いこと遊んでりゃ当然、老害化しますよ。」
と思ったわけですよ。
この基本構造はシンプルで、
- 条件 : カジュアル環境
- 定義 : カジュアル環境 = メンバーが固定的なプレイグループ
- 最初は【対話】でゲームを遊んでいる
- メンバーが変わらないので相互理解が進む
- 【対話】の必要が薄れて【会話】でゲームを遊ぶようになる
という、それだけの流れ。
そうしたカジュアル環境に篭っていた人が、コンベンションなどの外気に触れたとき、悲劇的な結果が生じるわけで。
つまり【会話】が基本技術になっている人が【対話】を要求される環境下に放り出されることで機能不全となり、いきおい空転してしまうってことなんですが。
【会話】っていうのは、つまるところ以心伝心。本来、多くの言葉を尽さなければならないところを、共有する価値観、概念を利用することで省略して省略して省略しまくって、極端に圧縮された言語および非言語によって行うコミュニケーションですが、こんなの初対面の相手に通じるワケがない。通じなくて当然です。(通信プロトコルが違うんだから(笑))
ところが長いことカジュアル環境に篭っていると、ゲームユーザってものの認識がカジュアル環境下の仲間に限定されちゃって、それが常識化しちゃうんでしょうね。常識ってのは悪意も邪気もない純粋な思い込みですから、自分のアプローチがズレていたとしても、それについて認識するのは非常に難しい。いきおい、理解できない相手が悪いってコトに……したくなっちゃうってのも分からん話ではないわけで。
理解はできるし、自分がそうなってることも相当あるだろうなぁと思うこともあります。あるんだけど、でもまあそれで自分を甘やかしちゃうと、これから先、プレイ環境は縮小する一方になっちゃうわけで。それでも当人が良いのであれば、口を出すことじゃあないんですが、それじゃあイヤだって場合はまあ、悔い改めないといけないわけで。
特にここんとこ、初心者だったりこれまで遊んだことの無かった相手だったりとばかり遊んでるもんですから、自分の【対話】レベルがよっぽど低下してるなぁ……なんて反省することしきりですよ。
【会話】と老害、【会話】の見直し
RPG における【会話】ってのは「ゲームボードを共有するための技術」であると同時に「説明を省略するための技術」であって、それによって当然、時間単位のゲーム密度を上げることはできます。でもそれは「その【会話】が通用する状況下」といった限定のかかるものであって、別段ゲームスキルそのものが向上しているわけではないと思うんですね。
老害をこうした「限定状況下での【会話】に専門化してしまった人種」としたとき、それに対するベテランは「状況に合わせて【会話】と【対話】を使い分けることができる人種」と言うことも出来るかなぁ、とか。
ただまあ【会話】の面白さをまったく無視してしまうのも、それはそれでゲームの幅を狭めてしまう話ですんで、一方的に【対話】だけしか使うな、というのもダメなわけですよね。
その辺が難しいところでもあり、でもそこを人間がやるからこそ変幻自在なドラマが生まれるってモンだと思うんですが。(NPC の行動管理 AI プログラムを作って試験提供してみたところ、GM が管制しきれないというアホな報告を受けたり。ありゃあ失敗作だった)
TRPGに役立てる平田オリザ流演劇論
演劇入門 (講談社現代新書) 作者: 平田オリザ 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 1998/10 メディア: 新書 平田オリザは脚本家、演出家です。現代口語演劇の旗手で、表現教育(言いたいこと…