[memo] ショートショートはネタを絞れ
玄兎 2009.3.07 (土曜日)
こないだから「1日 1エントリ」のローカルルールを自分に課してたりするんですが、4日も 5日も後までエントリ予約が埋まっちゃったのってブログとしてどうなの? とか思うんで止めようかなァとも思いつつ。
- [TRPG] なぜTRPGのセッションは1時間で終わらないのか?(Dragonoid Factory)
また B.W 氏が面白そうなネタを提供してくれてたので反応してみるの巻。
(本エントリは、元は対談だったものを成文化したものです。そのため話が飛躍している部分があるかもしれません。ご注意ください(笑))
なんで TRPG は 1時間で終わらないのか
1セッション 4~6時間、1シナリオ 1~3セッションというビッグゲームをメインに遊んでる身としては、耳の痛い限りです(笑)
それはさておき。
Aマホなら終わる(笑)
既にコメント欄の方で高橋志臣氏が書かれてますが、『Aの魔法陣』なら 1時間はおろか、メンツ次第では 30分でもセッション可能だったりします。
一時期オンラインで、一晩で「3面連動 3連続ゲーム → 3チーム統合 1ゲーム」とか、死ぬほどアホなことをやったりもしてましたが、あんなん超軽量な Aマホならではの芸当だろうなァ(笑)
1時間で終わった経験
実プレイの部分だけ考えてみると、確かに、1時間で終わったセッションというのは今までの TRPG 経験の中でもそう多くはなくて、たぶん統計上は無視されるくらいの比率になっちゃうだろうと思うんですが。
それでもまあ、たぶんそこそこ遊んでると思うんですよ。短時間セッション。
たとえば、キャンペーンのクライマックスだけやった時なんかは、シチュエーションバトルが 1回で、約 1時間。
ただまあこれは、「長いシナリオのクライマックスバトルだけを別の日に遊んだ」という風にも考えられますんで、そういう判断であればノーカウントになるでしょうか。(一応、そのバトル単体でも起承転結は組み込んでたけど)
それからセッション冒頭、導入部で PC が牢屋に捕らえられてたときに、「やるのか、やらんのか」と突きつけて、「やる」ならバトル、「やらん」ならダンジョン走破、という極端なセッションをやったときも、「やらん」を選択して 1時間をちょっとオーバーしたくらいで終わりました。
ああ、あと昔、初めて『リングバース』をやったとき、あまりのアレな導入(確か『レイアース』ネタだった(笑))と DD という判定方式に「いやもうポンポン一杯!」と投げ出されたときは、開始 20分くらいで終わりましたけどそれは意味違いますな(爆)
B.W 氏は「アドベンチャーパートを短縮する」という方向で検討されているようですが、上記の僕の経験は(最後のを除いて)、どれも「バトルかアドベンチャーか、どっちか一方だけやる」というアプローチで行われていますんで、あんまり役に立たん話かもしれません(笑)
で、まあ以下はそうした「どっちか一方だけやる」という方法をとった折の経験から、思ったことについてタラタラ書いてみました。
バトルで 1時間ゲーム
バトルとアドベンチャーパートの両方をやるから長くなるわけで、バトルだけで 1時間ゲームと考えると……これはもう『モンスターハンター』ですよ。
いきなりボス戦(笑)
ウォーシミュレーションとの線引きを考える
ただまあバトルだけのシナリオだと「ウォーシミュレーションと同じじゃん」と言う人もいるかと思います。僕自身もそういう解釈をしたがる性分です(笑)
ここでウォーシミュレーションゲームと TRPG とを、たとえば「質的情報がある程度の重要性を持ってゲームに反映されるか?」で分けることを考えると、わりと上手いこと線が引けるんじゃないかと思ったり。
とすると、たとえ 1時間のシンプルなバトルオンリーシナリオだったとしても、システム準拠で淡々とバトルを進めるだけでは上手くないことになりますんで、PC をコマにしないために背景設定(質的情報)を補填してやる必要があるかと思います。それによって PC が「どのように戦うか」とか「勝利条件をどう設定するか」を自分で選択できるようになれば、ひとまず“質的情報の反映”がなされて、バトルだけでも TRPG っぽく遊ぶことが出来るんじゃないか、とか。
バトルそのものをシナリオ化とか
もうちょっと進めて考えると、前にちょっと「『天上天下』みたいなバトルシーンをシナリオテンプレに出来ないか?」とか確かブログに書いたと思うんですが、ああいう構造が作れたら、バトルだけ 1時間ガッツリ遊ぶだけでも、十分 TRPG っぽさを失わずにゲームが成立するような気がします。
バトルはともかく、アドベンチャー 1時間ってどう?
バトルはいいとして、じゃあアドベンチャーパートだけを 1時間で終わらせることができるか? っていうと。
どうだろう?
……まあ、アドベンチャーパートが 1時間で終わっちゃって、バトルパートが 4時間とかだったら、それはそれで寂しい気もするんですが(笑)。いやそもそも論点が違うんだけど。
そうした個人的な感情は別にしても、アドベンチャーパート 1時間というのは、よっぽど時間を有効活用しないと内容コッテリ遊ぶのは難しいだろうなァとか思うわけです。なり茶タイプのキャラクタープレイならまだ可能そうですが、ミステリ系なんかはかなり難しそう。
理由は二つ。
検討、葛藤、決断
一つは、プレイヤーが情報を検討する時間。
アドベンチャーパートでは、いくつかの情報を集めることと、そこから一つの答えを導き出すことが求められる……と思います。導き出すべき答えまで教えられたり、最初から決められている答えの再確認をするだけなら、極論すると“プレイヤーにとっては”別にアドベンチャーパートで情報収集する必要なんかないわけですし。
(多くの場合、プレイヤーにとっては分かりきっている結論も、キャラクターにとっては葛藤して答えるべき決断だったりします。ここでプレイヤーとキャラクターのズレが生じたとき、モチベーションに影響するプレイヤーと、しないプレイヤーがいるのが厄介なところで)
この点については既に B.W 氏が
「質的情報を使ったメタゲームをぎゅぎゅ~っと濃縮して詰め込めばよい」
と一つの解を出されてますね。
で、これを支援するのが「シナリオハンドアウト」だったりするんじゃないか? とか。それによってキャラクターの方向性や事前情報を出しておくと、実際のプレーでは「葛藤する/決断する」というプロセスのみを演じることに注力でき、ショートカットが可能になるかと思います。
ただ、キャラクターごとに一人ずつ「葛藤→決断」を描こうとすると、やっぱり時間的に厳しいので、その辺ちょっとワリを食うキャラクターも出てきてしまうかなァ、とも。上手く自己完結できるプレイヤーだったら、あんまし心配いらないんだけど(笑)
タイムロス
で、もう一つの問題。
それは思考によるタイムロスです。
戦闘がスピーディーかつスリリングに行える要因として、「選択肢が少ない」ことと「予測できる」ことがあります。
予測とは、次に備えるための前提条件です。
この要素が、バトルパートとアドベンチャーパートを大きく左右する一端となっていると思うわけです。
戦闘において、目的は大体定まっています。その中での行動ですから、選択肢はそれほど多くはなりません。また選択肢についても、システム側でどのような選択肢(コマンド)があるのかについてキッチリ決められているものが多く、プレイヤーはその中から最善の手を選べばよい、ということになります。
それに対して情報収集は、特に会話ともなると、コマンドなんてありません。しかも一度聞いた話の中から“次の質問内容”を組み上げなければいけません。ここで「予測」が使えないことによるタイムロスが生じます。
バトルの場合、自分の手番に何をするのか、状況が変わるごとに適宜修正していきます。また多くのシステムがターン制であり、自分の手番が終わってから次にまた自分の手番が来るまでの間は、ひたすら状況を見定めながら「予測」を立てていくことが可能です。ゲームプレイの待機時間を丸ごと思考に割り振れますんで、タイムロスは非常に少なくできます。
更にバトルの場合、とれる行動の選択肢(コマンド)も限られているため、迷うことも少なく済みます。
しかしアドベンチャーの場合、どこに行くのか、何を調べる/訊ねるのか、といったコマンドはシステム側で必ずしも設定されていません。これらは自分で組み上げなければなりません。
また、ある行動をとった(コマンドを実行した)場合も、その結果についてゲームマスターから情報を得たら、すぐにまたプレイヤーのターンになります。プレイヤーは得られた情報について検討し、次のコマンドを新たに組み上げなければなりません。
コマンドに対する応答を得てから、次の自分の手番までの待機時間が無いため、応答を得てから次のコマンドを組み上げるまでの検討の時間がダイレクトにゲームプレイに影響し、その間はゲームが停止してしまう、と言うことです。
情報収集はターン制ではないため、「ずっと俺のターン」であるケースが結構あります。特にメインキャストの決まっているシーン制で回していると、一人で何度もコマンドを実行しなければならないケースが少なからずあるため、タイムロスは大きくなります。[*1]
オンラインセッションにおけるタイムロス対策
オンラインではただでさえ時間がかかるので、僕は大体 2~3シーンを並行して運用してます。
タイムロスの対策として「プレイヤーの検討する時間」を用意するのに、バトルではターン制を用いているわけですが、同じように「他のプレイヤーの処理中に考えて宣言してもらう」という方法で、ターン制に類する構造にしているわけです(笑)
トータルで見たときにはテンポが悪くなることもあるので、手法としては功罪両面があるわけですが、シーンの性質に合わせて運用を切り替えていけば、効率的に回せるかと思います。
シーン制とターン制
僕は『Aの魔法陣』が効率的にゲームが回る理由のひとつに、この「ターン制によるタイムロスの軽減」があるだろうと思ってます。ゲームプレイが停止する検討の時間を、なるべくプレイヤー自身の待機時間に回し、時間効率を上げよう……というわけです。
同じく『ご近所メルヒェンRPG ピーカーブー』
も、ターン制で回すようになっています。あれも上手い構造です。Aマホほど効率化はできませんが、シーン制とターン制のおいしいトコ取りをしてるんじゃないかなァ、とか。
逆に旧来的なシーン制は、キャラクター一人一人にスポットライトが当てられる反面、上記のようなタイムロスが発生しやすいという欠点があります。キャラクターそれぞれが単独行動を取っている場合は特に大きなロスになります。
が、同時にここでも「ハンドアウト」と「NPCコネクション」は有効に機能します。たとえば目的や葛藤、NPCとの関係性などを明確化し、プレイヤーにバイアスをかけ、組めるコマンドを制限してしまうわけです。
メタプレイを承認する利点
また、従来はタブーとされてきた「その場にいない PC の担当プレイヤーが発言する」という行動も、プレイヤーとキャラクターを切り離すメタプレイによって可能になります。
これを承認するか否かはゲームマスター次第ですが、プレイヤーが自主的に動きづらそうなとき、状況把握が遅そうだと思った場合などは、効率化を考えると承認した方が色々とプラスに働くかと思います。まあプレイヤーが自分で考えたいタイプのときは、黙ってた方が良いでしょうけど(笑)
課題)バトルしないでも面白い?
で、ここで問題になるのが「バトルしないでも面白い?」という点です。
まあ正直なところ、バトルが一番面白くなるようなデザインのシステムが大半なので、「大丈夫!」と保障するのは難しいんですが。
普通にバトル並みの緊張感を演出することを考えると、『神曲奏界ポリフォニカ』の「フォーカスシステム」とか『ガンドッグ』の「TRS」とか、あの辺を使ってランダマイザと駆け引きを数理的に演出するくらいのことは必要になるかなァ。
TRPG はマサラゲーム(?)
えー、一時期ちょっと日本でも流行った……いや、流行ったのは一本だけか(笑)、とにかく話題くらいにはなった「マサラムービー」ってのをご存知でしょうか?
これはインド映画のことでして、まあインドの映画ってのは大概がもう何でもかんでもブチ込みまくった娯楽長編なのですね。ちなみに娯楽の性質は、アクションだったりコメディだったりミュージカルだったりラブロマンスだったりと、もう何でもありで大変な騒ぎになっております。
特にミュージカル(歌と踊り)はストーリーに関係なく、急に場面転換して始まったりするので、なんかもうワケが分かりません。非常にはっちゃけまくっててユニークです。[*2]
その辺の「色んな要素を詰め込みました」ってことで、インドの香辛料・マサラ(複数の香辛料を粉状にして混ぜたもの)のような映画、で、インド映画のことを「マサラムービー」と誰かが名づけたようです。上手い、のか?(笑)
さておきこのマサラムービー、色々詰め込んでいるので長いです。昔のフランス映画ばりです(笑)。でもまあコレだけ様々な要素を詰め込んだら、そりゃあ長くなって当然だろうとも思うわけで。何しろ一本で歌って踊って戦って口論して抱き合って馬鹿やっちゃうワケですから、長くならない方がおかしい。
TRPG も、たぶんそんな感じの認識を持たれてるモンなんだろうなァと思うんですね。特に昔のスタイルは。[*3]
だからまあ、インド映画がマサラムービーなら、従来の TRPG はマサラゲームだろうと(笑)
色んなものを参考に
まあ正直なところ、短い時間でセッションを終わらせること、それ自体はさほど難しくは無いと思います。「導入して捜索して戦闘して」と、全部やろうとするからイカンのであって。別に「そのシナリオモデルこそが TRPG なのだ。そうでなければいけない」というわけではないと思いますんで。
ショートフィルムやコントなどと同じで、ある一場面を切り取って遊べば、それで済むんじゃなかとね? ってコトですね。
Aマホが直球でやってますね(笑)
マサラムービーやフランス映画というのは確かに面白いんですが、長いとやっぱり疲れちゃうわけです。
舞台演劇なんかも、2時間とか集中して見てるとかなり疲れます。だから多くの舞台がコミカルな要素を入れて、お客さんに一休みする時間を提供するわけですが、たまに全編シリアスな劇なんかを見ると、やっぱり疲れちゃうわけで。
キャラメルボックスという演劇集団は、あまり舞台演劇を見たことが無いお客さんに向けて「ハーフタイムシアター」ってのを時々やってます。(実は今日[*4]まさに東京での公演が始まったばかりでして。見に行きたいんだけど時間作れるかなァ……)
ハーフタイムシアターでは、一度の上演で二本の作品をやります。
一本あたりの時間は 60分程と短いので、舞台演劇の鑑賞に慣れていない人にとっては、これはかなりありがたい話なんじゃないかと思ったり。一度に二本見られるから、当たり外れのバクチ要素も薄くなるし。
小説のショートショートなんかを見ても、短編というのは総じて登場人物が少ないものです。
実のところ、プレイヤー数も NPC 数も極限まで減らしてしまうのが、一番手っ取り早くプレー時間を短くする方法と言えるかもしれません。[*5]
根本的な解決には、なってませんけど(笑)
- [一人で何度もコマンドを実行しなければならないと、タイムロスも大きくなる] = 逆説的に、シーン制で時間的密度の高いゲームを行うには、プレイヤー個人の高い創出能力に依存するか、さもなくばターン制のようにプレイヤーごとに待機時間を作って、そこで検討できるよう、プレイヤー全員が前のめりにゲームに参加し、次々にコマンドを実行し続ける必要がある……とも言えるのではないかと思う。 [↩]
- [マサラムービー] = マサラムービーに興味を持たれた方には、なるべくボリウッドから外れたタミル語圏の映画の方を見て欲しかったりする。近年のボリウッド映画には、スマートなハリウッド式のアプローチが多く見られる。そのためハリウッド映画を見慣れた日本人にとっては「今さら」感が強かろうと思う。むしろタミル語圏の映画、いわゆる「ラジニ映画」の方が、キッチュでベタな古臭い映画スタイルで、古い芸能、「ハレ」や「お祭り」的な感性で作られているので、今の日本人には新鮮なんじゃないかなァ。本当にツッコミどころ満載で面白すぎます。昔の香港映画にミュージカルが混じってると思うと、わりと近いかもしれない。 [↩]
- [TRPGはマサラムービーのように認識されているのでは?] = 今回の件で、ちょっと思ったのは「本当にみんな最後に戦闘するシナリオばっかり遊んでるのか?」ってこと。ビッグゲームも遊びまくってるわけだけど、 [↩]
- [今日] = このエントリを書いたのは3月5日。 [↩]
- [プレイヤー数を少なくする] = 初心者さん相手に遊ぶときは、わりと有効な手段。同席するプレイヤー数が多いとそれだけで緊張しちゃう人もいるので、1卓あたりプレイヤー 1~3人で 2~3卓立てて遊ぶ、ということをやっている。場全体では人数は多いが、セッション参加数は少なくするという方法。それで慣れてきたら、規模を大きく合同セッションにする。最初の濃密な時間にコッテリとスキルを習得できるので、その後もスムーズに遊べるようになった人が多い。 [↩]
『モンスターハンター』のクエストの背景
章のはじめに『モンスターハンター』ネタを出したので、ついでにちょっとモンハン話。
ゲームには何ら影響が無いんですが、『モンスターハンター』のクエストにも実はちゃんとストーリーというか「理由付け」――質的情報――がありまして。クエストの 3ページ目に、依頼者が「なんで依頼したのか」についてのちょっとしたコメントみたいなのがあるわけです。それがまあパターンは限られてるんですけど、ちょっと面白い。
ただし『モンハン』のクエストクリアの条件は、「討伐」、「捕獲」、また古龍種に限って「一定以上のダメージ+一定時間生き残ること」とまあ、基本的にはこの三つしかないので、こうした質的情報は、ゲームプレイとはまったく関係がない――質的情報が重要なものとして扱われていない――わけですが(笑)
いわゆるディテールってやつですか。
パーティプレイしてるときなんかは、集会所の椅子に座って、軽くキャラトークする小ネタになったりもするわけです。
「まーたアホなお嬢様がコンガに××投げつけられたらしいぜ」「いーかげん懲りろってんだよなァ」とか言いつつ、「んじゃちょっくら行ってくるか」ってなもんで、角笛が鳴ったりするわけです。ぺーほー♪(クエスト開始音)
こうしたクエストの背景は、繰り返しになりますがモンハンのゲームプレイそのものには全く関係ありません。ですから全然そんなことやる必要もなければ、気にする必要も無いんですが、その辺が「モンハンはコミュニケーションツールです」という開発チームのコンセプトワークを反映しているというか……少なくとも同人誌のネタやなんかには使いやすそうなところ(笑)
ということは TRPG にも使いやすそうなところ(何)